2025年1月22日水曜日

無期懲役

 

昨年10月、北海道江別市の公園内で無抵抗の男子大学生を集団暴行して死亡させたほか、男子大学生の金品を盗んでいた。亡くなった男子大学生の交際相手やその知人ら6人とも強盗致死罪で今月15日起訴された。主犯の女子2名は大学生で成人だが残りは4人は16歳から18歳である。数百の殴られた傷があり、膜下出血、硬膜下出血、腰椎の骨折など、いわゆる殴り殺された集団暴行だ。さらに奪った所持品、カードで加害者たちは食事をしていた。いずれも札幌家裁が検察官送致(逆送)としていた。

検察官送致とは犯罪の内容が家庭裁判所で保護処分(将来ある若者なので)とするような、寛大な対応ではなく刑事事件として起訴する決定になったことを検察官送致という。

 この子たちは人を殺してその人の金品を奪う行為がどれほど重い罪か知らなかったのだろう。なんでもありの無知な若者である。社会をなめている。強盗殺人も致死(殺意なし)は一発、無期懲役である。成人に達している一人が別れ話(被害者男性からの)に腹を立てて実行に及んだそうだ。すぐに出身大学を調べるとボーダーフリー、スポーツ中心の大学で就職がよくないというのが地元の口コミだ。

この子たちを止める大人はいなかったのか?犯罪は本人の問題だが社会がそれを止めることができる。親、兄弟、友人それこそ警察。この子たちは町でも目立った「ワル」だったらしい。町の人たちは、いずれ何かするんではと思っていたらしい。警察は犯罪に該当しないと動かない。どこかの教育機関に属しているはずだし、町中がこの子たちを見て見ぬふりをしていたのか。誰か被害者の味方はいなかったのか。

2024年12月28日土曜日

ふてほど

 

「不適切」を短縮した「ふてほど」が流行語大賞に選ばれた。「不適切」という表現は「アウト」とは違い、使いやすい無難な表現だと思う。ホームベースに全力で突っ込んでタッチ「アウト」か「セーフ」というより、不適切さの程度を「かなり」「わりと」「少々」などバリエーションで表現できる。

TBS系の「コメディーSF」「ユーモアSF」などという範疇のドラマだった。阿部サダヲは相変わらずの早口と格好つけない素朴さ、ちょっとエッチで歯に衣着せぬ物言いが日本の中年?っぽく感じてしまう。昭和の世にタイムスリップし、当時の自分や仲間たちの過去の姿に遭遇する。昭和生まれの私にとっては懐かしさを感じる場面も多々あった。番組の中で一番強調されていたのが、言葉とファッションだ。放送では禁止されている言葉は「××(ちょめちょめ)しよう」とか「男のくせに」など今ではパワハラやセクハラになる表現は当時たり前。女子高生のヘアースタイルは「ボブカット」「聖子ちゃんカット」、レトロな感じ。懐かしくも気恥しくもある。

昭和は、「人間臭さ」「人との温度」が残る一方で、小学校のころから「リーダー教育」がはっきりしていて、学力が高くて責任感がある生徒を他の生徒の模範として、先生が特別扱いした時代でもあった。みんなから一目置かれる存在がいて、その子を見て自分の行動を決めるといえば、やや大げさですが、良いことと、良くいないことが単純で、はっきりしていて、意図してリーダーの真似をしないまでもそっちの方に、気が付けば自然に、じわ~と寄っていく。そんな教育の結果に気づき「自分はなんなんだろう」「人間ってなんなんだろう」と叫ぶ半面、それも面倒で「しらけ」を掲げる者。しかし、理想と現実のギャップに苦しみながらも、結構若者は生きようとしていた。私の昭和時代の高校のクラスでは引きこもったり、登校できない生徒はいなかった。不適切なことをずけずけ言って、お互い傷つけ、強くなっていったのかもしれません。

2024年11月25日月曜日

人権がない

K-POPアイドルグループのニュージーンズは昨年、韓国の女性アイドルグループのアルバム売り上げ枚数で1位となったグループだ。世界中に数千万ものファンがいる。今月21日、韓国政府によると、彼女たちは労働者ではない?という。韓国の雇用労働部は、グループのメンバーが職場でハラスメント(いやがらせ)を受けたという主張を退けた。

政府も彼女たちは雇用所得税(従業員)ではなく、事業所得税(個人事業主の税)を支払っているとしているとしている。それで彼女たちは「信じられないほど長時間、時には週7日で何カ月も休みなく働き続ける」と話す。正規従業員でもなく、労働組合もなく、人権を擁護する政府機関もないのだ。

ソウルにある法律事務所では「労働者と見なされるためには、労働基準法の基準を満たさなければならない。歌手を含む著名人は通常、独立契約者として分類されるため基準法は適応されない」と説明している。

日本ではどうかというと基本は韓国に近く、個人事業主で健康保険などは個人加入で国民健康保険。退職金なども用意されない。しかし、売れてくると事務所が大切にするので、長くいることを前提に退職金なども準備をする。また、フリーランス保護法が近年整備されているので、実態が従業員とみなされ、労働法の適応があると考えるべきである。つまり、いざとなって訴えると国が保護してくれるし、マスコミなども応援してくれる。人権に関してはどうも韓国は日本基準では考えられないほど遅れた面があると思える。例えば、法定労働時間は40時間としているものの、従業員5以下の会社は52時間まで労働が認められるそうだ。5人以下の会社で働く人は390万人いる。就業者は2842万人なので約7.3人に1人である。性差別、マイノリティー差別も多々見られる。似た顔つきで、ソウルに行くと日本と変わらぬ景色がみられますが、人々が抱える、問題は日本よりずっと深刻なようだ。

2024年10月22日火曜日

文学賞


 アジア人女性初の受賞は歴史的な快挙である。1010日にスウェーデン・アカデミーが発表した。韓国人のハン・ガンである。作品はいくつかあるが「菜食主義者」という作品を取り上げてみよう。気味の悪い作品だ。主人公の女の子ヨヘンの父はDV男で、野菜しか食べない娘に腹を立て殴り、無理やり口に肉を押し込んで、精神に大きなダメージを与え病院送りにする。ヨヘンは変な夢を見るようになり、飼い犬が娘を噛んだという理由で父親が犬をバイクの後ろに紐を結んで町内を死ぬまで走らせてから家族みんなで食べるという夢が表現されています。追い打ちをかけるのがヨヘンの夫で、ヨヘンの姉は見た目がよくて、お店の経営者、あこがれの人で自分はヨヘン程度でいいかなと思っている。最終的にヨヘンは異常な行動にでる。動物から植物になろうとして、水以外拒否し裸で日に当たるようになり、木になるため逆立ちをして過ごすようになった。もちろん精神病院にはいる。静かに何者でもなくなり死んでいく。男のDV、美とお金の優位性、夫の浮気。韓国が抱えている様々な問題を奇怪な小説のスタイルで表現したのか。そいえば「パラサイト半地下の家族」も似たところがある。カンヌのアカデミー賞受賞作品だ。うまくいきそうに見えて、結局最後は残虐でむなしい終わり方だった。長女はうまく家庭教師に入った豪邸の地下に隠れ住む家政婦の夫に刺されて死ぬ。最後は父は豪邸の地下で家政婦の夫の代わりにこっそり暮らすようになる。長男はお屋敷を買い取って父を救おうというのだが、住むところがなく、また半地下に住む。元の木阿弥。貧乏から脱出不能。絶望感。両方の作品の主人公は女子だと思う。韓国はまだ男尊女卑が根強くDVも多い国だ。また、自殺者は先進諸国で問題視されるほど多いといわれる日本(1617人/10万人)より韓国(28人/10万人)はずっと多い。それぞれの国が取り組まなければならない課題だが、この小説も映画も出口がない。社会問題を象徴しているのだとすれば悲しくなる。今の社会をよく「描きだしている」という文芸評価はよく聞く。しかし「解決策を示している」という評価をあまり聞かないのは私の情報収集力が足りないからか。

2024年9月29日日曜日

遺恨は続く?

中国広東省の日本人学校に通う10歳男児が登校中に中国人の40代男性に刺されて亡くなった。918日は「柳条湖事件(満州事変)」の日であり、愛国主義教育や歴史認識に基づき、反日感情が特に高まりやすい「国恥日」とされる。やっぱり中国は徹底した反日教育を行っているため、日本人に対する敵意識はすさまじいと思ってしまう。経済ジャーナリストで法政大学MBA兼任教員の浦上早苗氏によると(東洋経済オンライン)1の教科書に日本軍と戦った八路軍の英雄物語が掲載され、「日本軍を追い返したぞ」と喜ぶ人民たちの挿絵が添えられていて、これは手ごわいと思ったそうだ。しかし、現実はそうでもないらしく、抗日ドラマは日本の「時代劇」のようなジャンルとして定着しているだけでなく、コメディありカンフーあり、果ては日本兵と中国人将校の恋愛ありと、史実から完全に離れてエンタメ化しているそうだ。

そして若者は抗日ドラマではなく、日本のアニメやドラマを通じて日本のイメージを形成している。筆者が日本語を教えていた大学では、学生がネットショップで日本の制服風の上下をクラス全員分購入し写真撮影をしていたそうだ。また、日本でアニメや映画の舞台を巡る聖地巡礼が大流行している。中国共産党員になるには申請をしてから2年ほどかかり、学業、思想、活動などで実績が必要となるが、就職に有利だからという打算的な人も大勢いるようで、みんなが皆、共産党Loveとまではいかないらしい。

我が国とアメリカの関係を考えてみると参考になる。戦争をした。お互いに手ひどいことをした。彼らはいまだに真珠湾は覚えているが、アメリカ人の24歳までの人たちは75%が原爆を疑問視しているというデーターもある。日本のアニメはアメリカでも人気だし、アメリカの文化は日本に定着した。日本と中国も似た感じにはなるだろう。但し、時間がかかる。問題は外交関係だろう。中国を好きではないといった人たちの理由のほとんどが尖閣の領有権問題、台湾問題、日本の軍国主義復活の警戒感などである。アメリカは離れているがお隣となるとちょこちょこ、気になるものが見えてくるのもいたしかたないでしょう。とりあえず、「嫌中」動画をYou-tubeのどんどん上げるのをやめよう。

2024年8月27日火曜日

不同意性交

サッカー選手の伊藤純也選手と佐野海舟選手の性加害疑惑が連続してニュースになりました。告訴された選手の側も逆に名誉棄損や虚偽告訴罪で告訴し、戦争状態になるかと思いきや、結局、不起訴処分となって一件落着。日本の法律では2023年の刑法改正で、準強制性交と強制性交をひっくるめて不同意性交罪となっています。これから社会に出る若い方たちにとって他人事ではありません。刑罰も重く拘禁系5年で完全な実刑判決です。執行猶予がつくのは相手と示談が成立している場合に限って、それも絶対ではありません。大学生なら退学。社会人なら解雇でしょう。男性の側として一番怖いのはラブホテルなどに入って同意があるものとして、そういう行為に及んだ後で、実は無理やりだったといわれることです。行為の前に書面を交わすなど、ほとんどないことでしょう。伊藤選手に関しては真相は発表されていませんが、嫌疑不十分で不起訴となっています。ここで、気になるのは女性の側が抵抗もせずラブホテルに入り、不同意といえば不同意性交になる可能性が高いということです。ところが検察の起訴率が33.4%しかありません。実は親告罪(男性が証拠を挙げて嫌疑を晴らさなくてはならない)から非親告罪になったからです。被害者が親告しなくても罪になるなら、オートマチックに不同意性交が成立しそうに思えますが、非親告罪では検察が立証責任(証拠を挙げて不同意性交を証明する)を負います。不同意だったと女性が言うのも簡単、でも、それを証明するのは検察官ということです。密室で行われていることですから、男性の主張も女性の主張も証拠が乏しいのです。
芸能人の方もスポーツ選手もこういう話題が多いようです。脚光を浴びる。つまり、人気がある。注目度が高い。こんな方たちにはいわゆるゴシップがつきものなのでしょう。ゴシップとは興味本位の噂話の事です。でも犯罪に該当する可能性となるとちょっと話は重い。裁判で嫌疑不十分は「無罪」だが不同意性交には「性交」という言葉があり、それが同意か不同意か話題になるだけでも、多感な青少年たちのヒーロー像には「有罪」だろう。ミラクルなシュートを撃った瞬間の輝きは曇る。スポーツの世界や芸能界の人気者は品格があり若い人の手本であってほしい。

2024年7月14日日曜日

小池氏ってどんな人?

 

東京都知事選で、現職の小池百合子氏が3選を果たした。過去最多の56人が立候補し、次点は前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏、3位は前参院議員の蓮舫氏だった。小池百合子氏について調べてみると変化に富んだ人生だ。19713月、甲南女子高校卒業。同年4月、関西学院大学(社会学部)入学したが、ほどなくして父親の会社が倒産し、一家は東京都の六本木に引っ越している。大学も退学している。一家の仕事には資産家の朝堂院(松浦)氏が絡んでいる。後にカイロにわたって、カイロ大学を卒業するのも、父が朝堂院氏の出資でカイロで日本食レストランを開くことになったり、アラビア語に興味があったことがきっかけだろうと推察される。カイロ大学で知り合った方と結婚するが、お相手の男性は大学での成績が振るわず、大学をやめてサウジアラビアで就職することになり、やりたいことがはっきりしている百合子氏は離婚している。父のレストランは百合子氏がカイロ大学在学中に倒産している。しかし、百合子氏はカイロ大学を首席で卒業していて、アラビア語の通訳士の資格を持っている。帰国後は政治の道に入り、最終的には大臣にまで上り詰めた。

カイロから日本に帰ってくるまでの青年期、めげずによく頑張ったものだ。父の2回の倒産や離婚は、意気消沈して、こじんまりと小さな幸せを求める性格になってもいいと思うが、父の実業家魂が強く影響したのかアクティブな人生に自ら持っていく。

高校生のみなさんが、百合子氏から学べることは環境を巧みに利用して、自分が原因であろうがなかろうが、変化を柔軟に受け入れてください。自分をプロデュースする力があなたの本当の力です。他者の目に映る姿があなた自身です。自分の世界観や本音を語るのは余暇の楽しみくらいにしておいて、自分以外すべては他人。決しては初めから友好的ではないという自覚を持っておきましょう。周りはみんな意地悪くらいに思っていてもいいのです。

2024年6月30日日曜日

これからの選挙運動?


選挙は有権者の賛同を得て、国や地方の代表者として市民の幸せな生活を担う者となろうとする意欲的な者が立候補する。この民主主義の大原則を知らない者などいないが、「不謹慎」なポスターからは政治に対する真摯な態度が見えない。規制する方法がないので、致し方ないが、高校生諸君にどう思うか聞いてみると、やはり「あんなのいいの?」とあきれ顔。なんでも有りを大人が堂々とやってのけるのはどうかと思う。合法でさえあればいいというのか。民法の90条には公序良俗規定あるが、民法だし、選挙には当てはまらないのか?

ところで石丸氏の戦略はすごい。かなりの注目度だ。発言がシンプルで分かりやすい。自分が都知事になって「政治を変えたい」意欲が強く伝わってくる。耳に残るし目を引く。「この続きはYou-tube」でと、締めくくる。いい戦略だと思う。氏は安芸で市長をしていた時もSNS戦略で台頭した若手政治家だ。若い人達の民意を形成するのはTVよりもSNSだろう。ゴールデンタイムのTVの視聴者は1997年頃70%だったが、2023年の上期では40%台だ。新聞は2000年で5000万人以上いたが今では2800万人ほどに減っている。これに対してYou-tubeのユーザーは8000万人ほどいる。まさにTVの立場を奪っている。

私は朝日新聞には毎日目を通す。隅々読む時間はないので、全部の見出を見る。TVのニュースも毎日見るので、「あの事か」「この事か」とわかり、認識できることは本文を読まない。それで、毎日の新聞の時間は10分~30分。30分もかけるのは予想もつかない見出しに出くわして、強く興味をひかれた時だけで、全文細かく読んで、かつ、PC開いて、関連事項を研究してみることもある。You-tubeがヒットするのは当然だ、無料でどこでも、見たいものだけ、活字を拾って読む労力もいらない。びっくりするお得なモノのチラシに目をひかれ、耳を疑い、詳細はこちらとQRコードがあれば、思わずブーッと取り込み、詳細を見たくなるのと似ている。

2024年5月26日日曜日

ヤフオク訴訟


5月15日の朝日新聞に、ヤフオク出品者を提訴した記事が目を引いた。私は中古品の流通については大賛成だ。必要としない品物を必要だと思う人が安価な価格で購入するのは、両者に大きなメリットがあると思っている。
この度の提訴は売り手の側が「未使用に近い」とし、画像を8枚添付し25万円で販売したが、実際には、ほかにも傷が数か所あったとし、買い手が返品を申し出たが、売り手の側が「財布の機能に問題はない」として返金に応じなかったため、買い手は不誠実な対応をされたとして出品者に148万円の損害賠償を求めた裁判だ。
 判決は「出品に対する商品説明の詳細は出品者に委ねられている」とし、さらに、商品状態の記載は「あくまでも一つの目安ないし参考情報」と指摘をし、添付された画像の傷以外に原告側が主張している傷は極めて軽微で、実際に一度使用した中古品であることを鑑みると契約不適合があったと認められることはないとの判決だった。要するに、中古品なのだから、写真に示されていない傷がわずかにあったからといって、損害賠償というほどではないという内容だ。
 思うに、148万円という額は不誠実な対応に対する損害額にしては高すぎる。また、返品を請求された出品者も、早々に25万円を返して白紙に戻すべきだ。
 中古品には傷などの何らかの劣化が必ずあるため、本来、売買は現物を見て判断するのが原則だ。売り手と買い手が直接会って、現物を確認して金銭を払って決済すべきだ。離れたもの同士が画像を説明文だけを頼りに、高額な商品の売買を決めるなどというのは、ある意味、冒険だろう。ヤフオクやメルカリは「もったいない」という美徳を持っている私たちにとっては好ましい制度だと思う。しかし、私も一度、嫌な思いをしたことがあり、嫌な思いをするたくさんの人が出てきて、メディアで報道されると、出品者も買い手も縮小し中古市場の衰退を招きかねない。ヤフオクやメルカリは、さらに安心な制度を考えるべきだ。例えば、郵送などで送られた現物を見て、思ったものと違いう場合は返品できる制度をすべての売買に適応すべきである。中古クーリングオフ制度は必須だろう。煩雑になることも出てくるが、安心感は利用者の増加と制度の維持には欠かせない。

2024年4月30日火曜日

国政が変わる

 

島根県で演説する岸田首相
昨年11月に死去された細田博之の補欠選挙が4月28日に行われ、立憲民主党の亀井亜紀子氏が当選した。自民党公認の対立 候補は錦織功政氏だ。与野党対決の構図となって全国が注目し た。安部派のパーティー券の販売ノルマ超過分を所属議員に還 流させ、収支報告書に記載せず、政治資金規正法に違反する行 いが明るみに出た矢先、この事件が国政に影響すると誰しもが思ったはずだ。
 岸田内閣の支持率は20%切ってしまい、今度こそ政権交代が起こる前触れと注目したはずだ。島根県は全国で唯一、自民党が選挙区の議席を独占してきたが、果たして、初めて議席を失うことになった。亀井亜紀子(立民・元)当選 8万2691票、錦織功政(自民・新)5万7897票だった。
  早速、島根に住む親類の家に電話してみた。「県民は自民党を好きではなくなっている」「自分も個人的に、特に岸田首相の政策が好きではない」とのこと。父や祖父母の代からの支持を裏切ると、再び信頼を回復するには時間がかかりそうだ。自民党は次の総選挙で第1党から落ちそうだ。
  自民党はかつて2度「下野」(野党に転落)したことがある。1993年にリクルート事件、東京佐川急便事件などといった「政治とカネ」の問題が起こり、国民は自民党に失望し、自民党は過半数を割り、非自民非共産の8党派の連立政権ができた。
2009年には小泉純一郎氏が党総裁の任期切れに伴い首相を辞め、その後、安倍晋三氏、福田康夫氏と、1年で政権を投げ出す首相が続いたことが原因で、国民は自民党に失望した。民主党は308議席、対する自民党は119議席。
  私はかねてから政治は変革が大切だと思う。同じ党が長く政権を担うより、別の党が政権を獲得したり取り返したりしてはどうか。切磋琢磨という言葉がある。為政者たちはお互いに磨きあってこそ国民に寄り添った政治となる。また、有権者は政権を選び取るという権利を持っていると同時に、自ら生み出した「新しい政治」を国民として厳しく見詰め、日本の民主主義を鍛えていく責任も負っている。傍観者としてではなく主体的に政治を変革する担い手であるべきだ。理想と現実は違うと叱られそうだが、そう思いたい。
 島根の投票率を見てみよう。54.62% 衆議院の小選挙区制導入以降、最低だったそうだ。前回、3年前の選挙を6.61ポイント下回った。半分くらいの人が権利を行使しなかった。政治を生かすも殺すも国民の政治に対する関心である。

2024年3月17日日曜日

核融合発電


朝日デジタル新聞より






 
 2004年東京地裁の判決で「小企業の貧弱な研究環境の下で、個人的能力と独創的な発想により・・・世界的発明を成し遂げた稀有(けう)な事例だ」として青色LEDの発明者に会社が200億円を支払うように命じた判決文の一部だ。稀有な事例の主人公は世界中が科学者として尊敬をやまない中村修二先生だ。
 先生が今取り組んでいるのは核融合発電だ。「核」といっても従来の核分裂の熱を利用するものとは違い、レーザーを使い炉の中で核融合反応を起こし、高速で飛び出してくる中性子を厚さ1mのブランケットと呼ばれる部分で受け止める。ブランケットで受け止められた中性子は速度を落とし、その落ちた速度に相当するエネルギーが熱に変わるそうだ。この中性子の運動を熱源に変えるところが従来の原子力発電と異なる点だ。原子力発電は核分裂だ。一気に分裂させると原爆である。
核と聞くとすぐに「危険」というのが第一印象だが、中性子しか発生しない装置では危険はない。また、何かが起きてもレーザーを止めれば融合は止まる。実用化は今世紀の中ごろ以降だそうだ。
 先生は朝日新聞のインタビューで「戦争を防ぎたい」とおっしゃった。すべてではないが、エネルギーに絡む利権の問題が、多くの戦争の背後にある。核融合発電が実用化されると、資源を独占している数少ない国の影響力が徐々に減る。いつか大きな国も小さな国も必要に応じた電力が自給自足で生産可能になる日も夢ではない。
 そんな先生は今、米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校の材料物性工学部教授である。リクナビNEXTの取材で、先生は「アメリカの学生は大きいリターンを期待する人は独立するし、そう望まない安定志向の人は大手企業に行く」と述べている。さらに、「日本は悲惨で、誰もが大手企業に入りたがって、優秀な人もそうでない人も『永遠のサラリーマン』をやっている」と続けている。
 でも、悲惨と言われると、少し悲しい。「自分で考えた発明を自分の力であることを明確にし、発明したものをさらに育て、会社を作って生産ラインを構築し、広く世に普及させ、名を馳せる。」まさにアメリカンドリームだ。この前提に日本の学生を見ると確かに悲惨かもしれない。
 先生がアメリカで研究を続けているのは理解できる。たぶん、先生のような偉業を目指す若者の指導に携わり、かつ、ご自分の研究も進めやすいのだと思う。全人類のため頑張ってください。
 ところで、先生にお願いがあります。今の日本の教育の仕組みでは相変わらず『永遠のサラリーマン』は続きます。小学生くらいのころから、能力や考え方で突出する子にうまく対応できていないようです。もっと自由な発想を育てないとカリフォルニア大学の生徒のようにはならないと思います。義務教育のあり方に立ち返って、独立心を育てる教育内容のご提言をお願いできないものでしょうか。

2024年2月25日日曜日

政治不信

 自民党の、特に安部派の方たちが、「裏金」を作っていた。法学部卒の血が騒いで、法律を調べた。政治金収支報告書に記載せず迂回献金即ち「裏金」が確定すれば、政治資金規正法違反だけでなく、税務申告を懈怠(けたい=なまける)した場合には「所得隠し」となり脱税犯罪(所得税法第238条違反)となる。
 政治資金規正法に定める罪を犯し、禁錮刑に処せられた者は裁判が確定した日から刑の執行を終わるまでの間とその後の5年間公民権の停止 ②罰金刑に処せられた者は裁判が確定した日から5年間の公民権の停止③ これらの刑の執行猶予の言い渡しを受けた者も公民権を停止。公民権とは国政に参加する権利のことだ。たとえ執行猶予付きの判決でも政治家にとっては致命的だ。
 初めにこの問題を暴露したのは共産党の「しんぶん赤旗」で昨年の日曜版。11月6日のことだ。この時の見出しは紙面2ページにわたり、「パー券収入、脱法的隠ぺい2500万円分不記載」と報じた。
 その後、東京地検に告発をしたのが神戸学院大学 上脇教授。ブルーグレーのバンダナヘッドが可愛さと凄みを漂わせる。「政治とカネを問う」の題名でYoutubeに1月19日にアップロードしておられる。1ヵ月前に3.2万回の視聴を記録した。
 さらに、キックバックのキャッチ(フレーズ)で、政治資金規正法違反の疑いを派手にマスコミ各社も報道した。打ち上げ花火の連打だ。
 不正を報道する時、カタカナや日常生活で使う言葉をあえて使い、権力者を「ただの人」扱いをして人格を失墜させる。政治の世界は一般人からすると身近ではない。すごい世界だ。そこに、民間の会社で日常的に行われているキックバックという言葉を使うことで、「商売」イメージで表現し、公人なのに「利益に走った」という印象を視聴者に与える。
 もちろんキックバックやリベートは違法ではない。実際のビジネスシーンでは行われている。 「うちの商品を今期中に100個売ってくれたら、売り上げの10%を返礼にお受け取りください」といったように、基本的に販促目的で行われる。小売りの側はキックバックを目標に一生懸命売る。会社に黙って個人が受け取ると背任罪などになる。
 高校生諸君はどうおもっているのだろう。「社会性の育成を重視し、自由と規律のバランスの回復を図ることが重要である。」(文科省の重要提言:国民会議報告H12.12)自由は一定の規律のなかで確保されるべきである。悪いことをしたら、罪を認めて誠実に「謝罪」することは人として当然だ。
 2022年4月26日に高校生を対象にラインユーザーを対象にスマホweb調査が実施された。有効回収数は998人だった。「もし政治家になれるとしたらなってみたいと思うか」、率直な意見を聞いたところ、「まったくなってみたいと思わない」51%で、「どちらかといえば、なってみたいと思わない」28%を合わせた、高校生が「政治家になってみたいと思わない」は8割弱(79%)だとわかった。一方で、「ぜひなってみたいと思う」6%だった。人気の仕事ではないようだ。志向館で一部の生徒に聞いてみたことがある。誰もいなかった。
 人気の仕事は「国家公務員・地方公務員」「教師・教員・大学教授」「システムエンジニア・プログラマー」がトップ3だ。「知的」で「安定」しているのがイメージだと思う。私も大学教授になりたかったので、気持ちはわかる。
 政治の世界に優秀な人格者が入ってほしいと切望している。この度の騒動で最大の罪は政治的権威や信頼感の失墜を招いたことだ。この度ばかりでなく、過去を振り返っても、政治の世界には数多くの不祥事が蔓延している。政治が狂った方向に走れば、そんな世界に入ろうと志す優秀な人材はいなくなる