2024年1月29日月曜日

能登半島地震

 大地震がきた。能登半島地震だ。私の住む金沢市は一部の地区を除いては多くの家屋が倒壊したり、大火が襲ってきたりしなかった。しかし、金沢でも震度5強。かなりの揺れが30秒ほど続いて、だんだん弱まった。体に感じる揺れは1分ほどだったと思う。1月1日の16時10分は正月特訓の最中で、寺町校と城北校で100名は校舎にいた。受講生のスマホは一斉にアラームが鳴り響き、みんな机の下にさっと入った。幸い志向館の建物の被害はなかった。
 金沢に住む人は能登に親族を持つ人が多い。私が授業を担当する約40名の生徒の中で、能登に親族がいたのは13名にも達した。こんなことは生徒に聞いたことがなかったので本当に驚いた。能登は農業者や漁業者の多い中、仕事を求めて金沢に出てきて、定住した人が多いのは、人々の再配置を改めて自覚する機会となった。
 9年前に珠洲に親戚ができた。私の次女が珠洲の大谷地区出身の方と結婚をしたからだ。娘の結婚相手は金沢で就職したといっても珠洲で一人暮らしをしている先方のお父様から、長男を奪った感じがして申しわけなく思った。
 震災直後、珠洲のお父様とは約10日ほど連絡が取れなかったが災害ボランティアに行った人から無事だと聞いて安堵した。スマホが通じず、連絡がとれなかった間、自宅が倒壊して生き埋めになったと思い、長男は危険を承知で自家用車で大谷地区に行く計画をしていた。
 災害が起こると、皆、被災地の関係者の安否確認をする。船舶基地局は長崎から出航したと聞いたが、到着後、沿岸からケーブルを引く必要がある。被災直後から使えるものではない。
 陸上の中継局が停電で使えなくなり、道路も不通になった孤立地区では衛星電話を使うしかないと思う。KDDIが提供するイリジウム衛星を利用した衛星電話サービスを自治体が管理している場所に何台か配置しておくのはどうだろうか。
 イリジウム(低軌道衛星)は地上780kmに地球の周りに66機配置され、非静止衛星で様々な軌道で動いている。衛星電話のMobileタイプは25万円ほど、月額基本料金は約10,000円。通話料金は20秒で55円~63円。ガソリン式のポータブル自家発電機は5万円程度だ。震災で孤立の可能性のある地区は地勢学的に予測できるはずだ。自治体はそんな地区には予め配備しておいてはどうか。事が起きると衛星電話には長蛇の列ができるだろうが、電話はお互いに譲り合って使い、「生きてるよ」の一言は無用な混乱を防ぎ、関係者を安心させることができる。まちろん早急に被災状況を消防庁に伝えることもできる。