2023年10月17日火曜日

ゲーム条例から1年

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例  全20条と附則からなり、前書きには『インターネットやコンピュータゲームの過剰な利用は、子どもの学力や体力の低下のみならずひきこもりや睡眠障害、視力障害などの身体的な 問題まで引き起こすことなどが指摘されており、世界保健機関において「ゲーム障害」が正式に疾病と認定されたように、今や、国内外で大きな 社会問題となっている。 —— (中略)—— ネット・ゲーム依存症対策の推進について、基本理念を定め、及び県、学校等、保護者等の責務等を明らかにするとともに、 ネット・ゲーム依存症対策に関する施策の基本となる事項を定める。』とある。
内容はかなり細かなところまで踏み込んでいて、18条には1日あたり60分、学校がお休みの時は90分を利用時間の限度とし、保護者はこれを守るよう努める義務を明記している。もちろん具体的な罰則はない。
 ところが、これに異議を唱えた高松出身の19歳の大学生と母親が権利の侵害(憲法13条幸福追求権の侵害)に当たるとして県に160万円の損害賠償を起こし、請求棄却の判決が2022年8月30日に判決が出てから1年が過ぎた。
 ゲームばかりでなくYou-tubeなどのネット依存症の影響は大きい。志向館の定期面談ではゲームに費やす時間を聞くと2~3時間はざらで、休みの日など1日中ネットを触る子どももいる。もちろん長時間のネット利用者は学習の遅れが目立つ。志向館グループのインターアクト生(中等部)の中にも学校に行く回数が少なく、依存が疑われる生徒かいる。全国でもネット依存と考えられるのは中学男子で10・6%、女子で14・3%、高校男子で13・2%、女子で18・9%となっていて、全国では少なくとも93万人と推計されている。
 これだけネットに夢中で学業をおろそかにする生徒が増えているのなら、自治体が基準を設けても当然である。条例を作った香川県ではネットから離れられないと「薬物依存と同様」という説明があった。その通りだと思う。社会人として通用する、修めるべき知識・教養の習得をネットに依存して怠るなら、ネットは「個人の自由」で片づけられない。これに自治体が条例で定めを置き、取り組むことは効果の有る無し、憲法云々などと言っている場合ではない。石川県では携帯電話の所持規定で適切な使い方を十分理解して、賢く利用する」となっており、ゲームに費やす利用時間までの細かな指導はしていない。
 青少年と直接接触し「なぜネットが危険なのか」のお話をする立場の大人、例えば、学校の先生、私たちのような民間教育の者、学習を大切に思う大人や保護者の方々はネットに時間を取られ学習時間が無くなっている子たちをなんとかしたいと思っています。
 きちんとした機関の有識者や法律に明言していただき、「WHOでも気をつけるように言うに言ってるよ」「政府は青少年インターネット環境整備法を作って、ネットの健全な利用を呼びかけてるんだよ」「市町村でもネット依存にならないように条例をつくってるんだ」。つまり社会全体が青少年のネットに警鐘を鳴らしていることをネットに依存しそうな青少年にお話しする根拠は多ければ多いほどいいと思ってる。