2023年6月22日木曜日

整形手術

 


6月20日の朝日新聞に「二重手術 高校合格のご褒美」という見出しで、袖書きに「10代の美容医療増加 揺れる親」とあった。高校に合格した暁に、ご褒美で二重を作る埋没法(瞼を糸で留める方法)手術の約束してもらった女子の話が冒頭にあった。手術は自由診療で50万。でも、モニター価格で5万円と言われ、親も納得してくれたとのこと。

1週間で手術後の腫れも引き、人と目を合わせることが嫌ではなくなって、「気持ちが明るくなった(本人感想)」そうだ。朝日新聞の紙面には湘南美容クリニックの広告が(SBCマーケティング提供)掲載されていた。キャッチフレーズは「たった3年の高校生活。一秒でも長くカワイイ私で過ごしたい」だった。完全なルッキズムである。10代の女子で二重にする手術を受けた人は、2019年の1万6千人から2022年では26千人に増加したそうだ。インターネットで検索してみると「手術時間15分、両眼4,800円」という見出で、TCBというwebサイトに、いくつものクリニックの名前が載っていた。金沢では駅前にあるようだ。ここまで気軽に、簡単に、低コストとなれば、「学校帰りに、いただいたお年玉持って・・・」のキャッチフレーズも現実にあり得るかもしれないと思った。                                                                      

社会学的にみると、ルッキズムは「社会(男性社会)による押し付け」としてとらえることもできる。ここでは美容整形は「社会に流布する女性美の模範に合わせる」(バルサモ)になるそうだ。

大阪樟蔭の松下先生の大学生、大学院生(87名)のアンケート調査によると反対論者の大半は「親からもらったものに傷をつけることの抵抗感」「人をだますことになる」など道徳的な観点と「副作用、後遺症の心配」医学的観点の2つに絞られる。道徳心の抵抗にしても、副作用や後遺症の恐怖にしてもどちらも払拭しきれぬものがある。まして、副作用は低い確率でも起こっている事実は否定しがたい。

しかし、とりあえずの結論としては、整形は個人の判断というしかない。心的満足度はその人にしかわからない。「きれいになった」の一言が欲しいのは強欲でもなんでもなく、誰しもが持つ願望といってもいい。したければすればいいと思う。まして、それで気持ちが明るくなって人生に前向きになれればいいと思う。高校生は確かに目にコンプレックスがある子が多く、二重瞼であればどれほど幸せかというのは聞いたことが何度もある。「人ときちんと向き合る」ことは学業にもいい影響がでる。

これからも、整形は増えてくると思う。特に目に関するプチ整形の件数はうなぎのぼりだと思う。でも、整形が一般化すると、こんな会話があるかも。男子:「君かわいいね。整形?」整形経験の女子:「ちがうよ。」このような会話が交わされると、「虚偽」が成立し、法定離婚事由に該当することがあります。整形は自由だが、人を巻き込んだ一生モノの決断では正直が何よりかと。