2023年4月30日日曜日

AIと向き合う

 

海外掲示板「Reddit(アメリカの掲示板型ソーシャルニュースサイトで自由に画像などの投稿ができる)1923年、H.T.ウェブスターという漫画家が、米「ニューヨーク・ワールド」紙に、2023年を予測した1コマ漫画の掲載があったそうです。この漫画は、1世紀後の現在、AIによる画像合成が進み、実際に作品を自動生成できるようになることを予期させるものが示されていて話題を呼んでいます。
こんなことができたらと創造したことは、未来に類似したモノが必ず実現する。人が月に住むなんてもうすぐだろう。私は小学生のころ「未来の私たちの絵」というテーマで図画工作の時間に月まで届くエスカレーターをクレヨン画で描いた。当時デパートにエスカレーターが設置され、珍しかったからだ。じっとしていて月まで階段が運んでくれる未来を創造した。出先で電話ができると便利だと感じ、1980年代は数キログラムもある携帯電話が登場し、お金持ちが車の中から車載電話をしていた。それから40年。カメラ機能を持つPCに進化し、子供も持っている。
同時に新たなマイナス面も現れ発展していく。近いうちに月での資源開発競争で、必ず国同士の衝突が生まれるだろう。スマホは誹謗中傷の道具になり痛ましい事件の直接の原因となることもある。しかし、私たちは一度使うようになった便利なモノを排除することはなく、すさまじい勢いで発展させていく。
チャットGPTの普及で一番気にかかるのは教育についてだ。レポートや感想文を書いたり、みんなで協議しあう場でIAを利用することが予想される。レポート等でそのまま提出しないまでもAIに発想を手伝ってもらうことは十分ありうる。また、協議の場で「AIがそう言うのなら」と、決定をゆだねることが恒常的になれば私たちの想像力や総合的な判断力は減退する。
私たちの世界では、モノのマイナス面である危険性の回避は、使用者たちの判断に委ねられ、トラブルの発生は個々人の自己責任に帰結する。極端な例だが、核兵器だってそうだろう。
数直線にたとえよう。プラスの面が増加すると同量のマイナス面が潜在的にも顕在的にも存在し、支点ゼロを中心にバランスをとるには、しっかりした倫理観が必要である。先日G7では「責任あるAI」の実現に向けて合意が交わされたそうだが、具体策が急がれる。