2022年9月19日月曜日

不正受給

政府が国民を救うべく手立てを講じてくれる給付金の不正受給が後になって公表される。「なんで交付後に?交付前の審査は?」と思うが、困っていたり苦しんでいる人や会社を救うのが先決だからで、書式を厳格にし、書類を細かくチェックする仕組みを構築している時間もない。スピード感が求められる。そこで、不十分な管理体制でも、とりあえず始めることになるのだろう。不正受給の可能性が予見できても、現地調査など実施せず給付金の交付を始めてしまう。何か月も経過してホームページで受給者の一覧を発表する。総額100億など、驚きの金額が発表される。受給の仕組みを作る政府の役人は高学歴で優秀だ。どうすれば不正を行うことができるかなど、初めからわかっているのだろう。受給のスピードをあげ、困っている人を幅広く助けるという目標は国のあるべき理想である。では、どうすれば不正受給を減らせるかは個人の道徳心や公共心の問題である。不正がある限り刑罰は必要だ。交付の前に大きな予算と労力をかけて不正受給を防止し、不正を暴くのにも大きな時間と労力がかかる。志向館の予備校で倫理を教えているので、イギリスの功利主義のJs.ミルの内的制裁を思い出す。内的制裁の基本は教育にあるだろう。公共心を育み、正義感を育てる教育は学校だけに任せておいても足りない。大人が皆、正しさを教える先生になれば、かなりの国費の節約となろう。