2021年6月21日月曜日

やりなおし

 上位の進学校の高校生が地元の私立大学に行く。これに異論を唱えると地元の私大の関係者から叱られそうだ。確かに志向館では金城大学の入試セミナーと星稜大学の入試セミナーを担当している。推薦入試や一般入試の問題解説、いわゆる傾向と対策を引き受けている。しかしそれは志向館に在籍している生徒に進路指導として第一志望にというわけでははい。
 仮面浪人(大学に籍を置いて他大学を狙う)の数は駿台予備校の調べによると数年前には1万人台だったが、今春は3万8千人までに上っているそうな。学部(学習内容)の不満、学費負担が苦しい、学歴(ステータス)の劣等意識、など色々あるだろうが、そもそも高卒時に「入学したらやり通す」、不満が残るのなら「浪人する」といった2者択一の決断ができない高校生とその保護者が増えているのが原因だ。私は、学歴と後の人生に関する情報不足と人生哲学の欠如を考える。とりあえず入学してみて「良ければ続ける」「不満ならやめる」というのでは、満足感の少ない大学に通い、時間とお金を無駄にすることになる。クーリングオフは便利な制度だと思うが、人生に適応しない方がいい。