初めにこの問題を暴露したのは共産党の「しんぶん赤旗」で昨年の日曜版。11月6日のことだ。この時の見出しは紙面2ページにわたり、「パー券収入、脱法的隠ぺい2500万円分不記載」と報じた。
その後、東京地検に告発をしたのが神戸学院大学 上脇教授。ブルーグレーのバンダナヘッドが可愛さと凄みを漂わせる。「政治とカネを問う」の題名でYoutubeに1月19日にアップロードしておられる。1ヵ月前に3.2万回の視聴を記録した。
さらに、キックバックのキャッチ(フレーズ)で、政治資金規正法違反の疑いを派手にマスコミ各社も報道した。打ち上げ花火の連打だ。
不正を報道する時、カタカナや日常生活で使う言葉をあえて使い、権力者を「ただの人」扱いをして人格を失墜させる。政治の世界は一般人からすると身近ではない。すごい世界だ。そこに、民間の会社で日常的に行われているキックバックという言葉を使うことで、「商売」イメージで表現し、公人なのに「利益に走った」という印象を視聴者に与える。
もちろんキックバックやリベートは違法ではない。実際のビジネスシーンでは行われている。 「うちの商品を今期中に100個売ってくれたら、売り上げの10%を返礼にお受け取りください」といったように、基本的に販促目的で行われる。小売りの側はキックバックを目標に一生懸命売る。会社に黙って個人が受け取ると背任罪などになる。
高校生諸君はどうおもっているのだろう。「社会性の育成を重視し、自由と規律のバランスの回復を図ることが重要である。」(文科省の重要提言:国民会議報告H12.12)自由は一定の規律のなかで確保されるべきである。悪いことをしたら、罪を認めて誠実に「謝罪」することは人として当然だ。
2022年4月26日に高校生を対象にラインユーザーを対象にスマホweb調査が実施された。有効回収数は998人だった。「もし政治家になれるとしたらなってみたいと思うか」、率直な意見を聞いたところ、「まったくなってみたいと思わない」51%で、「どちらかといえば、なってみたいと思わない」28%を合わせた、高校生が「政治家になってみたいと思わない」は8割弱(79%)だとわかった。一方で、「ぜひなってみたいと思う」6%だった。人気の仕事ではないようだ。志向館で一部の生徒に聞いてみたことがある。誰もいなかった。
人気の仕事は「国家公務員・地方公務員」「教師・教員・大学教授」「システムエンジニア・プログラマー」がトップ3だ。「知的」で「安定」しているのがイメージだと思う。私も大学教授になりたかったので、気持ちはわかる。
政治の世界に優秀な人格者が入ってほしいと切望している。この度の騒動で最大の罪は政治的権威や信頼感の失墜を招いたことだ。この度ばかりでなく、過去を振り返っても、政治の世界には数多くの不祥事が蔓延している。政治が狂った方向に走れば、そんな世界に入ろうと志す優秀な人材はいなくなる。