2021年8月4日水曜日

医学部偏重

 受験の最高峰は国立大学では東大、京大。私立では早慶。学部では医学部。ずっと前からの定着したブランドである。医学部の偏差値を押し上げているものに、人命を直接守る仕事のやりがいと同時に尊敬される、感謝される仕事、医師免許さえあれば、病院勤務も開業医も可能。つまり生活が安定する仕事。そのため、人気職業で、みんなが行きたがり、偏差値もあがり、合格しただけでかっこいい。
 以前、スウェーデンの医学生を3週間ほど自宅にステイさせたことがあった。スウェーデンでの医師のステイタスをきいてみたら、さほど高くなく、給与は医者以外の職業より少し高いくらいと言っていた。中国は時々で、今は情報工学や宇宙工学が人気だそうだ。フランスなどもそれぞれの分野の権威者が学生を集めるので、一概に医学部が一番人気というわけではない。日本では医師免許を持ってさらに・・・というケースも多々あり、医師免許を持つ方たちが医学研究、公務、病院経営など万能家としの地位を確立していて、料理家までいるそうだ。つまり医師免許があると、何をやっても信用される。
 思うに医師の本分は臨床であるが、医師免許を持った方が臨床ではなく研究医として仕事をしている方も少なくない。こうなると臨床医が不足しているというのも納得できる。
 研究は研究者、医師は臨床といように、専門性の高い仕事は対象となる仕事に特化すべきだと思う。現状は臨床も研究にも携わる臨床研究医の方もいて、活躍しておられるようだが、医師不足の現状を考えると医師免許を取得しない基礎研究医の数を増やし、大学などの研究機関に所属し病原菌の研究や薬の開発に特化する人材を積極的に雇用、育成すべきで、医師免許を取得した方はもっぱら臨床医として活躍してほしい。医療の成長、発展のために分業化が望ましいと考える。