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ジャクサ H2ロケット実物大 |
金沢大学は以前は金沢城址にあり、その後、城址からは車で30分はかかる山がちな地形の場所に移転した。学生寮、大学の付属施設、医学部など主要機関と学生の生活スペースが金沢市内に統一性なく点在している格好だ。良し悪しはあるが、私は学園都市なるものに憧れがある。俗世間からやや離れ、どこに行っても研究者と学生という環境は心そそられる。
「先生!こちらで飲んでおられたんですか」「なんだお前らか、一緒に一杯やるぞ。こっちに来い」「やった!ゴチになりまっす」 つくばの居酒屋でかわされそうな会話を想像してみた。私が大学の1年のときに、先生に誘っていただいたことがある。帰り道で「やー君たち、飯でもおごろうか」といきなり若手の語学講師の先生に声をかけられた。先生は「僕は法政が初めてなんだ。大学のこと教えてくれよ」とおっしゃった。友達と2人、嬉しくってドキドキしながら居酒屋に行った。養老乃瀧だったと思う。飲みなれないビールを注文し、真っ赤な顔になって先生に笑われたのをよく覚えている。
大学生にとって大人は2種類しかない。先生か会社勤めの人。大学生にとって青年も2種類しかない。学生が会社勤めの人である。モラル正しき社会人の少ない環境では悪しき面も生じようが、社会人としての画一的モラルを身につけ、世のため人のために活躍する前に、学生と彼らを育てる者が占領する町は、自分のために特化できる学生生活を過ごせるユートピアだと思う。