2012年1月7日土曜日

つぶれかけた暮れの大掃除

  毎年28日は志向館の大掃除です。26年続いてきたイベントですが、今年は現役3年生の多数派の高校で、センターパックと呼ばれる教材をセンター試験の時間通りに解いて自己採点をする学校のカリキュラムが年末ぎりぎりまで続いたため、パック授業がおわってから志向館の講習に参加するという生徒もいて、私たちも対応すべく通常7:30くらいに終わっていた講習を9:30まで延長し、大掃除は取りやめということになっていました。けれど、現役3年の有志諸君は黙っておらず、使命感に燃えていたらしく、私のほうも強い要望に心打たれ急遽実施の運びとなりました。


大掃除の後はいつも女性スタッフの大協力でミニパーティーがあり「来年がみんなに最良の年となりますように!」のかけ声で乾杯をして一年が終わります。今年は急遽ケーキだけで勘弁してもらいましたが、例年の発声だけは館内に響きました。
日ごろから私は伝統を大切にするのが好きです。「一度はじめたことは長く続ける」というだけかもしれませんが。イベントのようなものは5年、10年と継続していくと当初の意図と少しずつ違ってくることもあります。時代とともに人の思いや暮らしぶりが変わる中で、長く続いたものには止めがたい基本的な、なにか大切なものがきっとあるはずです。形式や利用する道具は近代的で合理的になっても、お世話になった場所に感謝の意を込めて、清める行為はいつの世にも変わらぬ人の礼節のひとつと解する教育をわかってくれる生徒がいることを私は願っています。

最後になりましたが、差し入れをお届けくださり、大切なことを教えて下さったOBの皆様には本当に心から感謝いたします。きっと塾舎を清めたこの子達は社会人になって、さまざま場所でOBの皆様方の教えを思い出し、心ある人に、そして心ある人を応援できる人に成長していってくれると信じています。