2021年2月12日金曜日

受験の朝

 東京には10泊くらいしました。試験当日いつもより30分も早く起きました。あまり眠れませんでした。東京は朝から雪。ダイヤの乱れが心配で急いで何か食べて、京王線に乗って総武線で市ヶ谷でおりました。試験には十分すぎるほど早く着きました。とにかくちゃんと着いてよかったと思いました。セーターにダッフルコートだったので冷たいのは顔だけでしたが、かえって頭を冴えさせ冷静だと思わせる効果がありました。
 不安も何もありませんでした。何の科目か覚えていませんが、ひたすら何か問題集のようなものや単語集のようなものを見ていました。無感覚でした。ほどなく教室に入るように指示があって様々な生徒が着席している教室に入り、机上にセロテープで張り付けてある紙の番号を見て自分の場所につきました。机の表面はガタガタしていて、高校のものよりひどいと思いましたが凄みを感じ、さすがは六大学と思いました。土足でいいのか、みんな雪で濡れ、泥のついた靴のままで、教室というより駅の待合室のようでした。少し、机上から目を離して周りの受験生を始めてまじまじと見ました。無精ひげを生やした人が学生服を着ていました。凄みがありました。髪の長い化粧をした女の人がいました。この人はいくつ何だろうと思いました。こんな人達と大学で授業を受けるのかと思うと、金沢のから上京し別世界の入り口に立ている自分に、よくやっているという思いがありました。自分が一番幼いと感じたからです。50席はあったかと思います。無精ひげと化粧女子はきっと受かる。そうなるとあと、2,3人しかと通らんと思うと自分が合格するとは思えませんでした。
 試験が終わってもずっと試験の時の緊張感が続き無感覚でした。今日は誰とも会っていない、一言も口をきいていないと思いました。居候させていただいてた知人のアパートの炬燵に入ってピンクの板にうつ伏せて寝落ちしました。いつ寝たのかも、起きた後のことも覚えていません。