2014年12月9日火曜日

12月8日

 昭和16年12月8日。真珠湾攻撃が行なわれた。あの悲惨な戦争の幕開けの日で
あった。
 今日は、志向館の予備校のベイシックサイエンス(実践的社会)という授業で真珠湾
攻撃を取り上げた。テーマは侵略である。朝日新聞に面白い記事があり、日本最初の
長編アニメーション(37分)は「桃太郎の海鷲」という当時の軍部が作ったプロパガンダ
フィルムであるという。真珠湾攻撃に参加する桃太郎が主人公のようだ。桃太郎が
主人公なら勧善懲悪である。いかにも当時の教育らしい。鬼畜米英である。ところで、
明治維新のあと、福沢諭吉先生がおもしろいことを書いている。「桃太郎は鬼を懲らし
め、その時、宝もの(財宝)をもってかえって豊かに暮らした。これは侵略であり良くない
行動だ。」といった内容である。
 日本の戦争は侵略戦争であった。テレビ番組で今日、目だった特別番組はなかった
ように思う。今年の終戦記念日あたりには特別番組が多かったように記憶している。
侵略戦争の最後である終戦記念日に多くを語ることも重要だ。しかし、最も悲惨な目に
あった太平洋戦争の開戦日をもっと若い人たちに知らせ、この時、我国がどのような考
えで開戦にいったか知らしめるべきである。12月8日は成道会でもある。成道会とはお釈
迦様が悟りを開かれた日である。お釈迦様は不殺傷を教義として重視している。仏教国
である日本がこの日にアメリカに不意打ちをくらわし、2400人を殺した。最後に原爆が
私たちの頭上に落ちた。日本人もアメリカ人もいった誰のために戦ったのか。
日本人死亡者310万人、アメリカ人犠牲者40万5千人。亡くなった方の個としての人生を
考えると理不尽な死である。